ごあいさつ

前立腺癌は欧米では成人男性がかかる癌の中で第一位を占め、その原因の一つとして脂肪や乳製品が多い食生活が挙げられています。又、高齢者に多いことも特徴です。日本でも食生活の欧米化や社会の高齢化に伴って急激な増加が見られており、2020年には男性で肺癌に次いで2番目に多い癌になると予測されています。

J-CaP研究会は日本における前立腺癌患者にとって最適なホルモン療法の指針を構築することを目的として、2001年より全国約400施設が参加して前立腺癌ホルモン療法の実態調査と治療成績の分析を行っています。

しかし、一方、前立腺癌への関心が高く国を挙げて対策に取り組んでいる欧米諸国に比べると、日本では前立腺癌の検診も進んでおらず、前立腺癌に対する知識・認識の向上が望まれます。又、前立腺癌患者様と講演会等を通じてわかったことですが、前立腺癌患者様は比較的高齢で自分の病気について大きな不安を抱いており、病院(主治医)から得られる情報のみでは対応が不十分であることを認識しました。病院では得られない情報提供と支援を行うことが重要と考えています。このような点から、J-CaP研究会は社会の現状に対応する必要性を痛感しております。

今般J-CaP研究会は特定非営利活動法人となり、医師の研究や治療という視点だけではなく、患者様やご家族の体験や意見を組み入れて、両方の立場から前立腺癌を考え、その啓発や治療の向上を目指していきたいと考えています。

前立腺癌が今後国民的な問題になることを考慮し、前立腺癌についての教育講演会や広報活動、情報提供を行い、前立腺癌への認識を高め早期発見の必要性を啓発すると共に、前立腺癌に苦しむ患者様やご家族のニーズに合わせた情報の提供を試みます。又、米国にて前立腺癌の治療について目覚しい活動を行っているCaPSURE(Cancer of the Prostate Strategic Urologic Endeavor)との共同研究を通じて、日米の前立腺癌治療の動向を分析し、その成果を日本の前立腺癌治療体系の構築に役立てて、前立腺癌医療の向上と発展に努めます。加えて、患者様への情報提供の方法についてもCaPSUREと共同して「Patients Portal」というインターネットを用いた双方向の情報伝達機能を構築し、日本における新しい情報提供を行います。

特定非営利活動法人として、一般市民や患者様、ご家族の方々に開かれた組織として情報を公開し、前立腺癌に対する国民の知識・認識を高めることに寄与して参ります。

平成21年9月1日

特定非営利活動法人 J-CaP研究会
理事長
赤 座 英 之